学歴詐称疑惑をめぐり、田久保市長が百条委員会への証人出頭を拒否し話題を呼んでいます。
この記事では、「百条委員会とは何か」、「出頭拒否するとどうなるのか」についてまとめています。
「行政チェックの最強カード」百条委員会とは?
「百条委員会」は地方議会が不祥事や疑惑を調べるための委員会。強い調査権限を持つ
百条委員会は、地方自治法の第100条に基づいて地方議会が設置する特別な委員会で、不祥事や疑惑があったときに事実を調べるために使われます。
ふだんの委員会よりも強い調査権限を持っていて、関係者に出頭や証言、資料の提出を求めることができます。
これまでにも、東京都の猪瀬元知事の金銭トラブルや、兵庫県の斎藤知事のパワハラ疑惑などで設置されたことがあります。

百条委員会は、強い権限から「議会の伝家の宝刀」と呼ばれています!
■2013年 東京都
猪瀬直樹都知事が医療グループから5000万円を受け取った問題により、設置が決定。しかし、猪瀬知事の辞職により設置されず
■2024年 兵庫県
斎藤元彦知事がパワハラ疑惑などを内部告発された問題をめぐり設置。
田久保市長が百両委員会への出頭を拒否した理由
田久保市長は以下の理由で出頭を拒否:
- 求められた内容についてはすでに答えている
- 現時点では答えられない質問がある
- 日程の通知が急すぎる
田久保真紀市長は、学歴詐称の疑いで7月25日に予定されていた百条委員会への出頭を拒否しました。
市長が示した主な理由は以下のとおりです。
- すでに答えた内容を繰り返す必要はない
→ 証言を求められている内容(卒業証書や記録提出の理由など)については、すでに文書で説明したため、改めて証言する必要はないと主張。 - 今の時点で「除籍」の理由を説明できない
→ 大学に4年間在籍していたが、卒業ではなく「除籍」になった理由は大学に確認中で、今の時点ではそれ以上の情報はないとのこと。 - 内容を自分が確認していない文書に対する質問には答えられない
→ 内容を自分が確認していない匿名の文書をもとに質問されるのは不公平で、証人の権利を守るためにも応じられないとしています。 - 日程の通知が急すぎる
→ 弁護士と調整が間に合わず、準備できない状況だと述べています。
市長は以上の理由から「正当な理由がある」として、出頭を断っています。
議会側は今後も文書の提出や市長の出頭を求める方向で協議を続けるとしています。
百条委員会への出頭を拒否するとどうなるのか?
正当な理由なく出頭しないと6カ月以下の禁錮刑や10万円以下の罰金も
出頭しなかった場合の罰則
百条委員会に出頭しなかった場合の罰則は、以下のとおりです。
第一項の規定により出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、六箇月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。
(地方自治法第100条)
つまり、正当な理由がないのに証言を拒否した場合などは、6カ月以下の禁錮刑や10万円以下の罰金を科すことができるのですね。
委員会は、「正当な理由があるとは認められない」として、今後市長に再度出頭を求め、応じない場合には刑事告発を検討しているとのことです。
田久保市長が出頭を拒否できる「正当な理由」とは?
では、出頭を拒絶できる「正当な理由」として、どのようなものが考えられるのでしょうか。
頭を拒否できるかどうかはケースごとに判断されますが、重い病気やケガ、家族の危篤や亡くなった直後など、どうしても出席できない特別な理由がある場合だけです。
現時点で田久保市長にそうした事情はなく、出頭を免れないと考えられます。
まとめ
- 「百条委員会」は地方議会が不祥事や疑惑を調べるための「行政チェックの最強カード」
- 田久保市長は「求められた内容についてはすでに答えている」などの理由で出頭を拒否
- 正当な理由なく出頭しないと6カ月以下の禁錮刑や10万円以下の罰金も
百条委員会の調査と市長の対応は、自治体運営の透明性と公正さを考えるうえで重要な課題です。今後の動きにも注目が集まるでしょう。
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