細田守監督の長編アニメーション映画『果てしなきスカーレット』が公開され、評価が大きく二分されています。
高い評価を集める一方で、一部の視聴者からは「ひどい」「つまらない」といった厳しい批判も。
この記事では、この作品に対して批判的な意見が寄せられている主な理由を、具体的な指摘に基づいてまとめています。
果てしなきスカーレットの概要【あらすじ】
あらすじ:王女と看護師の物語
復讐と愛情をテーマとして扱った本作。
一言でまとめると、王女スカーレットと看護師・聖の出会いを通した心の変化を描いた物語です。
- 父を殺した叔父への復讐を誓う王女スカーレット
- 復讐に失敗し「死者の国」で目覚める
- 現代日本から来た優しい看護師・聖と出会い、心が徐々に変化
- 復讐と愛情、そして「生きるとは何か」を描く感動の物語
主要キャスト:芦田愛菜ほか
芦田愛菜さんが主人公のスカーレットを演じ、話題を呼んでいます。
全体を見ると、キャスティングは声優よりも芸能人が多く起用されています。
- スカーレット:芦田愛菜
- 聖:岡田将生
- スカーレット:芦田愛菜
- 聖:岡田将生
- ポローニアス:山路和弘
- レアティーズ:柄本時生
- ローゼンクランツ:青木崇高
- ギルデンスターン:染谷将太
- 少女:白山乃愛
- 老婆:白石加代子
- ヴォルティマンド:吉田鋼太郎
- ガートルード:斉藤由貴
- コーネリウス:松重豊
- アムレット:市村正親
- クローディアス:役所広司 ほか
果てしなきスカーレットが「ひどい」と批判される5つの理由
ネット上ではSNSを中心に賛否両論の感想が飛び交っています。
その中には「ひどい」と批判するコメントも多く、理由としては以下の点が挙げられています。
- キャラの行動や展開がご都合主義に思える
- 説明ゼリフが多くて冷めてしまう
- ミュージカルと現代描写が唐突で流れを切る
- ハムレット原作なのに重みが感じられない
- 声優とキャラが合わない、プロの声優を起用すべき
一方で、肯定的な意見も見られます。
- 映像が綺麗だった(特に背景作画)
- 世界観も魅力的
- 細田守監督に対する高い期待を抜きにすれば、そこまで悪くない作品
- 評判ほどひどい出来ではないと感じる
また、「そこまで批判されているなら逆に観たい」という層も一定数おり、賛否の分かれるタイプの作品だと言えそうです。
ここから、理由を一つずつ詳しくみていきましょう。
1. キャラの行動や展開がご都合主義に思える
もっとも多く挙がっていたのは、ストーリーそのものへの批判です。
「キャラクターの行動に納得感がなく、物語が都合よく進んでいるように見える」という声が多く、行動の理由づけが弱いために“人物ではなく駒が動いているだけ”と感じたという意見もありました。
とくに復讐劇を最終的にハッピーエンドへと収束させようとする展開が「無理にまとめにかかっていて不自然」と感じられ、強い違和感を覚えた人が多かったようです。
2. 説明ゼリフが多くて冷めてしまう
次に目立ったのが、「説明が多すぎて冷める」 という不満。
重要な場面でもキャラクターが状況を言葉で解説するため、
- 語りすぎてナレーションみたい、会話として不自然
- 感情の余白がない
- “見せる映画”ではなく“説明される物語”になっている
という違和感を抱く人が続出しました。
映画の魅力である“視覚で感じる体験”より、言葉が前に出てしまっているという評価です。
また、主役のスカーレットと聖のやりとりが「説教くさい」と感じたという声もありました。
3. ミュージカルと現代描写が唐突で流れを切る
ファンタジー調の世界観の最中に突然ミュージカルパートが始まったり、中世世界から急に現代の渋谷が登場するなど、トーンの急変が多い点も議論を呼んでいます。
- 「なぜここで歌うの?」
- 「世界観が急に変わってついていけない」
という困惑の声が多く、意図を読み取れる人と“場面転換の急さ”に戸惑う人で評価が大きく分かれています。
「細田監督の挑戦的な演出」という好意的な反応がある一方で、世界観の統一感を壊してしまったという受け止め方もあります。
4. ハムレット原作なのに重みが感じられない
『ハムレット』から着想を得ているだけに、観客は自然と“重厚な復讐劇”や“繊細な心理描写”を期待します。
しかし、
- 葛藤の描き方が浅い
- 感情の積み上げが弱い
- 脚本の密度が足りない
といった理由で、“期待とのギャップ”を感じた人が多かったようです。
古典を扱うことで生まれる高いハードルに、物語が届いていないと感じる声が多数ありました。
5. 声優とキャラが合わない、プロの声優を起用すべき
意外と多かったのが、「芦田愛菜さんの声とキャラクターのイメージが合わない」という意見です。
- 声にまだ幼さが感じられ、王女スカーレットのキャラクターの絵や存在感にやや合わない
- 叫ぶ場面が多いが、可愛らしい声質が姫の激情や迫力を表現するには物足りない
など、声と画のミスマッチが没入を妨げたという声が複数見られました。
一方で、「渾身の演技」と評価する声もあり、賛否は分かれる状況です。また、芦田さんはエンディングも担当しており、「歌声が素晴らしく感動した」との声も。
芦田さんの起用理由として、細田監督は次のように語っています。
「芦田さんってパブリックイメージとしてはとても利発で、復讐するスカーレットとは全然イメージが違うと思うんですよね。でも、違うからこそ良いとも思うわけです」
監督は、イメージと異なる役を演じることで芦田さんの魅力がさらに際立つと考え、化学反応のような効果を期待しての起用だったようです。
ただし、そのねらいが一部ではキャラクターとのミスマッチと受け取られたようです。
また、芦田さんに限らず声優陣の多くが芸能人だったため、「プロの声優を起用すべきだった」という意見もありました。
- 地声のままに聞こえ、俳優の顔が浮かんでしまってキャラクターに没入できない
- 普段声だけの演技に慣れていないので、抑揚が弱く聞こえる
声だけでキャラクターを演じ切る力が、プロ声優に比べるとやや物足りなく感じたとの指摘です。
まとめ
この記事では、細田守監督の『果てしなきスカーレット』に寄せられた意見や感想をまとめました。
今後もさまざまな声が飛び交い、注目が続く作品となりそうです。
