仙台育英高校サッカー部でいじめが発覚し、全国大会の出場を辞退しました。
この記事では、大きな話題となっている 加害者の情報や、 11月初旬の報道から辞退までの全経緯を時系列で整理しています。
仙台育英サッカー部で発覚したいじめを時系列で整理
最初の報道から辞退決定までの経緯
10月14日 学校がいじめを把握
被害生徒の訴えにより、学校が調査を開始(重大事態認定)。
11月2日 県大会には出場
サッカー部は加害行為を行ったとされる特定の複数生徒を完全に確認するには至らなかったとして、2日の県大会決勝は被害生徒と家族に説明した上で出場。
11月5日 学校が事実を認める
学校が公式に「いじめ問題は事実」と発表し、調査中であることを明かす。
11月11日 全国大会辞退を決定
第104回全国高校サッカー選手権への出場辞退を発表。
11月11日頃 辞退の理由
「調査や再発防止を徹底するため、大会出場は難しい」と学校側が説明。
辞退決定後宮城県代表の対応
全国大会の宮城県代表は、日本サッカー協会などが改めて協議して決める予定。
学校側がいじめを把握した経緯と初動対応
学校がいじめを把握したのは10月14日で、被害者がサッカー部の指導者に「部活に出られない」と訴えたことで発覚。
これを受け、学校が問題を把握した後、調査を開始しました。
いじめの具体的内容:被害者は抑うつ症状に
いじめの具体的内容と被害者の健康状態は次のとおりです。
いじめの具体的内容
- 暴言や嫌がらせ:加害者とされる生徒たちが、被害生徒に対して繰り返しひどい暴言を浴びせたり、嫌がらせをしたりしていた
- 肉体的な行為:報道によると、被害生徒に暴力をふるう行為も含まれていた
- 期間:被害者が1年次の時から3年次になった現在まで長期にわたって行われていた
2. 被害生徒の健康状態
- 病気の診断:被害生徒は病院で診察を受け、「抑うつ(よくうつ)症状」と診断される
- 現在の状況:現在も通院して治療を受けており、学校の部活動には参加できない状態が続く
いじめ加害者/犯人は誰で何人?
いじめ加害者/犯人については、実名は出ていませんが、以下のようなメンバーと人数だったとされています。
加害生徒の情報
- 人数:いじめに関わった生徒は、複数人
- 学年:加害生徒は被害者と同じ3年生
- 動機:具体的な動機は不明ですが、部活動内での人間関係が背景にあったとの指摘も
「特定情報」が公開されない理由
- プライバシーの保護:加害生徒が未成年者であるため、個人情報や実名が公開されることは、少年法などの関係で制限されるため
- 名誉毀損のリスク:学校や公式機関以外が実名を公開した場合、名誉毀損にあたる大きなリスクがあるため
問題発覚後の学校の対応と処分
問題の発覚と学校の対応や説明は次のとおりです。
調査開始のタイミングと内容
被害生徒の了承を得られた10月から調査を開始。
学校は3年生53人と当時の顧問団に聞き取り調査を実施しました。
在校生・保護者への説明「いじりといじめが発生しやすい高リスク集団」
在校生や保護者に対しては、5日、いじめの報道を受け、公式サイトを通じ理事長・校長名で「調査中であること」を報告しました。
また、文中では「いじり」と「いじめ」についても言及しています。
これを機に、体育会サッカー部を含む仙台育英学園が設置する全ての体育会運動部・文化会文化部に対して調査を実施することで、「いじり」と「いじめ」が構造的に発生しやすい高リスク集団となっていないかの確認を行い、構造的な課題が発見された部活動についてはその課題の解決に注力するために対外活動の停止を行う予定です。
-仙台育英高校公式発表より
全国大会「辞退」の決断:なぜ今?出場~辞退までの背景
県大会には出場しているものの、全国大会前に辞退ということになりました。
県大会出場〜全国大会辞退までの経緯をまとめます。
県大会出場決定の背景
サッカー部は、いじめをした生徒(加害者)を完全に特定できなかった状況だったとして、県大会の決勝戦には出場しました。
これは、学校が被害を受けた生徒とその家族に事情を説明し、了解を得た上での判断だったとされています。
辞退という決断に至った理由と学校の見解
調査の結果、いじめは一部の生徒だけでなく、サッカー部全体に人を大切にする意識(人権意識)が足りず、「いじめが起こりやすい体質」があったことが判明。
学校は、部全体を根本的に指導し直すことを最優先するため、全国大会の辞退を決めました。
指導体制の構造的問題:監督・コーチの対応と部活動の風土
監督は事態を把握していたか
サッカー部の城福 敬(じょうふく たかし)監督がいじめを把握していたかは、明らかになっていません。
ただ、城福敬監督が今季限りで退任を発表していおり、抑うつ症状で通院する部員がいる状況で全国大会出場を決め、妻を会場に招いたことで批判が集まっています。
強豪校特有の上下関係と指導体制の課題
報道によると、サッカー部内には人権意識が足りず、生徒間で上下関係ができていたことが発覚しています。
学校側は「いじめが起きやすい構造であった」としています。
加害生徒への処分と今後の焦点
学校による処分(部活動停止、退学など)の可能性
サッカー部は県大会直後から活動休止していました。今後は学内に限って練習を再開するとのことです。
また、今後は生徒に対し人権意識について指導する時間を設けるそうです。
仙台育英の部活動は不祥事の事例が多い?
仙台育英高校では、過去にも部活動での不祥事が発生しています。
2001年:野球部内での暴力隠ぺい事件
2001年、野球部で上級生から下級生への暴力行為あったことを隠ぺいしたとして、当時の監督が責任を取って引退しました。
2011年:被災現場での「火事場泥棒」事件
2011年の震災直後、部員7人が被災した店舗に侵入した「火事場泥棒」が発生。
この時は監督は引退せず、文は1週間の謹慎とボランテイア活動を経て夏の県予選大会に出場しています。
2017年:野球部員の飲酒・喫煙事件
2017年11月、仙台育英高校の元硬式野球部員ら計9名が虚偽申告で外出後、仙台市国分町の飲食店で飲酒・喫煙。
その結果、元硬式野球部員1名が急性アルコール中毒で救急搬送されたことが学校の調査で判明しました。
高校サッカーで相次ぐ不祥事:興国高校も
11月5日、興国高校でも、サッカー部の部員が飲酒行為で停学処分になったことが明らかになりました。
今のところ全国大会の辞退は発表していないものの、仙台育英高校に続き高校サッカー界で相次ぐ事態となっています。
他強豪校でも相次ぐいじめ:広陵高校も
広陵高校でも部活内でいじめ事件
広陵高校野球部で、2025年夏の甲子園開幕前後に大きな問題が報じられました。
- 問題の内容:上級生が下級生に対して暴力をふるう事案が発生しました。案を「いじめ」とは判断せず、県に報告しませんでした。
- 結果:この暴力事案がSNSなどで大きく広まった結果、広陵高校は夏の甲子園の2回戦出場を辞退することになりました。
仙台育英サッカー部のいじめとの共通点
いずれも全国レベルの強豪校の部活動(野球部、サッカー部)でいじめが発生しています。
また、どちらの学校も、全国大会の出場を辞退するという重い結果になりました。
まとめ
今回は、仙台育英高校サッカー部のいじめ問題をまとめました。
今後の続報にも注目が集まりそうです。
